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小児外科鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニア

ヘルニアとはお腹の中の臓器がお腹の外にとび出すという意味です。鼡径ヘルニアでは右または左の足の付け根、鼡径部の皮膚の下に腸や卵巣など本来お腹の中にある臓器がとびだしてきて腫瘤状に触れる病気であるため、この名前になっています。

小児外科手術の対象となる病気の中では最も多い病気です。腸が出ている場合には通常柔らかいふくらみとして触れますが、圧迫すると無くなってしまいます。入浴後や排便後、泣いた後などによくみられます。女の子では、卵巣が出てリンパ腺が腫れているように触れる場合があります。この場合には圧迫しても必ずしもすぐには戻りません。

治療は基本的には手術です。ヘルニアバンドで圧迫するという方法がありますが、おすすめすることはできません。最近新しい手術法として腹腔鏡を用いた手術があります。腹腔鏡を用いた場合の利点はヘルニアが出ている反対側にもヘルニアがあるかどうかを判断できると言うことです。反対側にもヘルニアがあるときには(それまで症状としてヘルニアがでていなくても)、同時に手術することにより将来反対側にヘルニアが出る心配がなくなります。

現在、腹腔鏡手術は生後6ヵ月以上の女の子に限らせて頂いています。理由は男児では精巣につながる精管や血管がヘルニアに沿って走っているため、将来に問題が起こる可能性を完全に否定できないためです(女児ではこの心配がありません)。

当院では日帰りの手術を行っています。この病気の問題点としてヘルニアの嵌頓(かんとん)があります。嵌頓とは「とび出した臓器が元のお腹の中に戻らなくなった状態」を意味します。嵌頓が起こると子供さんは非常に痛がります。またいつものように膨らみが戻らなくなってしまいます。この場合には緊急に小児外科を受診して頂いています。どうしても戻らない場合には緊急手術が必要となります。

私たちの施設では年間約130人ほどの子供さんの鼡径ヘルニア手術を行っています。

鼡径ヘルニアに関連する病気:陰嚢水腫・精系水腫、停留精巣(睾丸)

鼡径ヘルニアに関連する病気として陰嚢水腫・精系水腫や停留精巣があります。陰嚢水腫・精系水腫は陰嚢周囲や鼡径部の精索に水が貯まったもので、男の赤ちゃんで非常によく見られます。しかし基本的には手術は不要で、経過をみていくだけで自然に治ることがほとんどです。

ヘルニアも水腫も鼡径部から陰嚢にかけて膨らみができるのですが、鼡径ヘルニアとの違いは、ヘルニアでは腸が出ているため比較的柔らかく、圧迫により元に戻ってしまう点です。水腫で手術となる場合は、4歳以上になっても自然治癒がみられない場合、圧迫すると小さくなりしばらくするとまた大きくなる場合(交通性陰嚢水腫と呼んでいます)に限っています。

停留精巣(睾丸)は陰嚢の中に睾丸が触れないものを指します。鼡径部に睾丸が触れることが多いのですが、お腹の中に睾丸がある場合もあります。ここで注意を要するのは鼡径部に睾丸を触れるのですが、陰脳内に引き下ろすことができるものがあります。これを移動性睾丸と呼びます。

停留精巣(睾丸)では1歳頃までは自然に降りてくる可能性があるため経過観察をしますが、降りてこない場合には手術適応となります。お腹の中にある場合には腹腔鏡を使って手術をします(2段階の手術が必要な場合もあります)。手術時期が遅れると将来の睾丸機能に支障を来す場合が出てくるためです。移動性睾丸では基本的に手術は必要ありませんが、年長になってもほとんど鼡径部に上がっている場合などは手術適応となる場合があります。

陰嚢水腫・精系水腫、停留精巣(睾丸)では鼡径ヘルニアを合併する場合が多いので注意が必要です。ヘルニア嵌頓を起こす場合があります。疑わしい場合には小児外科外来でご相談下さい。

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