2020年2月
大腸癌肝転移に対する予後因子の解析:多施設共同後ろ向き観察研究に関するお知らせ
はじめに
近畿大学病院 外科では、以下の臨床研究を実施しています。ここにご説明するのは、過去の診療情報や検査データ等を振り返り解析する「多施設共同後ろ向き観察研究」という臨床研究で、近畿大学医学部倫理委員会の承認を得て行うものです。すでに存在する情報を利用させて頂く研究ですので、対象となる患者さんに新たな検査や費用のご負担をお願いするものではありません。また、対象となる方が特定できないよう、個人情報の保護には十分な注意を払います。
この研究の対象に該当すると思われた方で、ご自身の診療情報等が利用されることを望まない場合やご質問がある場合は、下記の問い合わせ先にご連絡ください。
研究課題名
大腸癌肝転移に対する予後因子の解析:多施設共同後ろ向き観察研究
共同研究責任者
和歌山県立医科大学第2外科学講座 講師 上野昌樹
研究の目的
大腸癌肝転移症例の臨床データを用いて、治療内容、およびそれらの治療効果・安全性について調査を行い、多施設共同で予後因子の解析を行います。
研究の概要
- 対象となる患者さん
- 2005年1月から2019年8月までの期間中に、大腸癌肝転移で肝切除手術を受けた方
- 利用させて頂く情報
- この研究で利用させて頂くデータは、診療録より患者背景、大腸癌肝転移の臨床病理学的背景、肝切除治療の実施内容、治療効果、有害事象に関する情報です。
- 方法
- 肝切除による無増悪生存期間・全生存期間・有害事象発生率を解析します。またこれらの結果に基づき予後因子の抽出を行います。なお、本研究は多施設共同にて行われます(中央研究機関;和歌山県立医科大学第2外科、参加施設;大阪大学・大阪市立大学・大阪医科大学・関西医科大学・近畿大学・奈良県立医科大学・滋賀医科大学・京都府立医科大学)。
個人情報の取扱い
利用する情報からは、患者さんを特定できる個人情報は削除します。また、研究成果は学会や学術雑誌で発表されることがありますが、その際も患者さんの個人情報が公表されることはありません。尚、本研究で利用した情報は、将来の研究において2次利用する可能性があります。その際は、再度、倫理委員会の承認を受け実施しますが、今後の研究において取得された情報の利用を望まれない場合も、ご連絡ください。
ご自身の情報が利用されることを望まない場合
臨床研究は医学の進歩に欠かせない学術活動ですが、患者さんには、ご自身の診療情報等が利用されることを望まない場合、これを拒否する権利があります。その場合は、下記までご連絡ください。研究対象から除外させて頂きます。なお、研究協力を拒否された場合でも、診療上の不利益を被ることは一切ありません。
問い合わせ先
大阪狭山市大野東377-2
近畿大学病院 外科 担当医師 中居卓也
TEL:072-366-0221 FAX:072-367-7771
E-mail:t-nakai@med.kindai.ac.jp
大腸癌研究会プロジェクト研究「高齢者Stage III大腸癌に対する術後補助化学療法の現状調査(多施設共同観察研究)」について
はじめに
この説明書は「高齢者Stage III大腸癌に対する術後補助化学療法の現状調査(多施設共同観察研究)」の内容について説明したものです。
研究の内容は、研究に参加される方の権利を守るため、研究を実施することの適否について検討する倫理委員会(大腸癌研究会および近畿大学病院)にて審査を受け承認を得ています。
研究組織
本研究は大腸癌研究会 化学療法委員会が行う研究として、多施設共同で実施されます。
・ 研究代表者:島田安博(高知医療センター 腫瘍内科)
・ 研究事務局:石川敏昭(東京医科歯科大学 消化器化学療法外科)
・ 参加施設:大腸癌研究会 会員施設のうち協力可能な施設(別紙参照)
研究の目的、意義
根治切除を行ったStage III大腸癌の患者さんには、再発の抑制と生存期間の延長を目的に、術後補助化学療法を行うことが推奨されています。しかし、高齢患者さんに対する術後補助化学療法の有効性や安全性に関する情報は不足しています。本研究では、高齢者Stage III大腸癌の患者さんに、どのくらいの頻度で補助化学療法が行われ、どれほどの治療効果が得られているかを調べます。本研究によって、今後、高齢者に対する術後補助療法をどのように行ったら良いかを検討します。
研究の方法
過去に行われた治療や治療成績に関するデータを解析する研究です。対象となる患者さんに、あらたに検査や治療を行うものではありません。
- 対象となる患者さん
- 2012年1月~2016年12月の間に根治的手術を受けられた、75歳以上のStage III大腸癌の患者さん
- 利用する検体、カルテ情報
- カルテから過去の臨床情報を収集します。
臨床情報:
(1)患者さんの基本情報(年齢、性別、診断名、手術日)、(2)併存症の情報、(3)手術内容、(4)補助化学療法前の検査結果、(5)補助化学療法施行の有無とその内容、(6)副作用(有害事象)、(7)予後情報(再発・生存・死亡) - 個人情報の取扱い
- 利用する情報からは、お名前、住所など、患者さんを直接同定できる個人情報は削除します。研究参加施設からのデータは、本研究の関係者以外がアクセスできない状態で、研究事務局に提供されます。その後、研究事務局より解析担当者に解析用のデータが送られます。また研究者番号と、それぞれの患者さんとの対応表は各研究参加施設の研究協力者が保管・管理します。
- 研究結果
- 本研究は、大腸癌研究会より支給される研究費を用いて行われ、特定の企業、営利団体からの資金提供はありません。本研究に関与する者は、利益相反に問題がないことについて各参加施設の規定に従い管理されており、当院でも、利益相反マネジメント委員会により管理されています。
※利益相反とは、研究者が企業等から経済的な利益(謝金、研究費、株式等)の提供を受け、その利益の存在により臨床研究の結果に影響を及ぼす可能性がある状況のことをいいます。
問い合わせ先
この研究の計画や方法について、より詳しくお知りになりたい場合、また、ご自身のカルテ情報を利用することをご了承できない場合など、お問い合わせがありましたら、以下の研究事務局へご連絡ください。なお、この研究に参加している他の方の個人情報や、研究の知的財産等は、お答えできない内容もありますのでご了承ください。
この研究に関する問い合わせ
〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2
近畿大学病院 外科
分担研究責任者 川村 純一郎
幕谷 悠介
TEL: 072-366-0221 (内線: 3111)
FAX: 072-367-7771