研究に関するお知らせ

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下部消化管疾患に対する手術成績に関する後方視的研究について

研究の意義・目的

下部消化管腫瘍に対する治療は疾患に応じて多様ですが、外科的切除が中心的な役割を果たしていることは事実です。また潰瘍性大腸炎・クローン病に代表される炎症性腸疾患に対する治療は、内科的な薬物治療が中心ですが、内科的治療抵抗の症例など一部の症例に対して外科治療が適応となります。当科では、こうした外科治療成績の向上を目指し、新規術式・新たな手術アプローチを積極的に導入しています。こうした新たな治療手段の妥当性を明らかにするための最良の手段は多施設共同試験ですが、手術における施設間格差・ラーニングカーブの存在などの外科治療の特異性から、質の高い試験をすぐさま行うことは簡単ではありません。新規術式や新たな手術アプローチが標準化されるまでには手術のクオリティに差が生ずることが知られており、施設内においても手術アプローチが定型化されるまではその質にばらつきが出る可能性があります。こうした問題に対処するためには、自施設の手術成績を定期的に調査し、その妥当性を常に確認しておくことが必要となります。そして結果的に手術成績の向上につながる可能性があります。こうしたことから当科において外科的治療を受けた症例を多角的に解析することを目的として本研究を立案いたしました。

研究方法

対象は近畿大学外科において、下部消化管腫瘍(大腸癌・小腸癌・消化管間質腫瘍・内分泌腫瘍・悪性黒色腫など)、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病・ベーチェット病)などに対して外科的治療を受けた症例です。対象期間は2000年1月以降以降2024年5月までです。取得する情報は診療録から抽出いたします。

下記の情報の使用に際し、研究対象となる個人情報は匿名化し、プライバシーの保護には細心の注意を払います。

患者背景 年齢、性別、人種、身長、体重、BMI、ASA、初診日、診断確定日、大腸癌の家族歴、他癌の家族歴、 大腸疾患の既往歴、術前 CEA、重複癌、異時性大腸多発癌、同時性大腸多発癌
手術術式・周術期経過 術前経肛門的減圧の有無と転帰、手術日、手術術式、到達法、術中リンパ流診断、術中血流診断、吻合法、吻合形態、手術時間、出血量、 輸血量、癌病巣数、占居部位、壁在部位、肛門縁からの距離、肉眼分類、表在型亜分類、環周率、最大径、 壁深達度、SIAI 臓器、リンパ節転移、リンパ節郭清度、肝転移、肺転移、腹膜転移、遠隔転移臓器、病理組織検査所見(HE染色・組織化学染色・免疫組織化学染色)、術後歩行開始病日、術後飲水開始病日、術後食事開始病日、術後入院 日数、排ガス確認日、術後合併症内容、術後合併症治療方法、周術期各種血液検査所見、周術期各種画像 検査所見
化学療法 開始日、転移部位、使用薬剤、薬剤使用量、効果判定、増悪確認日、有害事象、化学療法時各種血液検査 所見、化学療法時各種画像検査所見
転帰 転帰、死因、最終確認日、再発、再発確認日、初回再発形式、再発治療

研究期間

実施承認後~5年間

研究機関

近畿大学医学部外科学教室

個人情報の取り扱いについて

氏名、生年月日、住所などの個人情報に関わるデータは一切使用いたしません。この研究は近畿大学医学部臨床倫理委員会の審査・承認を得ております。説明を希望される方は以下にご連絡ください。また本研究に対して診療情報の提供を望まれない方はお申し出ください。なお、その申し出により今後の診療などに不利益が生じることはありません。また本研究は、近畿大学のみで行われる研究であり、他機関への提供や二次利用の予定はございません。

近畿大学医学部外科学下部消化管部門
研究代表者 教授 川村純一郎
〒589-8511 大阪狭山市大野東377-2
TEL: 072-366-0221 (内線3111) FAX: 072-367-7771

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