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食道・胃・十二指腸当院の治療戦略と成績

日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG9907)により病期ⅡⅢ期の食道癌には術前の化学療法(NAC)が予後改善をもたらすことが示されました。さらに食道癌はその進行状況よって予後は異なり、我々はおのおの病態に合わせたオーダーメイド治療法が予後改善には必要と考えています。

Q.どんな食道癌の予後が悪いのでしょうか?
A.術後の予後成績を、リンパ節転移個数別にみると"転移個数が3個以上であるN2期以上"が極めて予後不良であることがわかります。

手術単独治療群 N0-1期 全生存率

次に比較的予後の良いリンパ節転移個数が2個以下のN0-1期に限って、T-壁深達度で予後をみると"T3期"は予後があまり良くなく、"T4"であれば長期生存はほとんど望めない状況です。

手術単独治療群T1-4 期 全生存率

個別化補助療法

これらをふまえ、当科では複数のリンパ節転移(N2期以上)がある、T3期である患者様には、術前化学療法(NAC)+手術にて治療しています。またT4期と疑われる患者様には化学放射線療法(CRT)を行いT4期解除がなされたと診断できれば積極的に根治切除を行ってまいります。

当院治療方針

  cN0-1 期 cN2-3 期
cT1 期 手術 or CRT 術前化学療法
cT2 期 手術 術前化学療法
cT3 期 術前化学療法 術前化学療法
cT4 期 疑 導入CRT 導入CRT

術前化学療法(NAC)例

ここではリンパ節転移を認める(PET検査で診断)胸部食道癌患者様を対象にNAC施行した治療成績を示します。NACが著効を示した場合(PETのリンパ節集積が消失)には生存率の改善がみられています。

手術とNAC効果あり+手術 全生存率

術前化学放射線療法例

CRT治療前

cT4を疑う状況です。現状では切除不可と考えます。

CRT治療後

CRT50Gy施行し腫瘍縮小効果を得ました。

この後手術を施行し、いずれも根治切除可能でありました。

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