はじめに
ごあいさつ
呼吸器外科部門は肺がん、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍などの胸部悪性腫瘍の外科治療および良性呼吸器疾患の外科治療を主に担当しています。安全で確実な外科治療を提供することは当然ですが、我々は臨床試験や治験など患者さんにより多くの最新の治療選択肢を提供します。呼吸器外科は外科の中でも専門性の高い領域です。肺がん治療は日進月歩ですが、肺がん根治を目指すための治療が世界的にも大きく変化しようとしており、我々呼吸器外科医の重要性は益々高まっています。肺がん外科治療については基本的に肺葉切除が標準治療でしたが、2021年に本邦から発表された臨床試験の結果、2 cm以下の末梢型小型肺がんに対しては肺葉切除よりも区域切除の方が生存を延長することが明らかになりました。区域切除は解剖学的切除で、肺葉切除よりも高度な技術が必要ですが、がんの根治性を損なわず機能を温存する重要性が示されました。また胸腔鏡、ロボット支援下手術などの低侵襲アプローチによる手術の需要も高まっています。呼吸器外科医は常に技術の進歩が求められるようになりました。肺がん薬物療法も進歩しています。切除不能肺がんで有効性が示されたEGFRチロシンキナーゼ阻害剤などの分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤が術前・術後の周術期治療としても導入されてきています。これらの薬物療法の知識も呼吸器外科医には求められます。また更なる肺がん治療成績向上には臨床研究や分子生物学的側面に注目した基礎研究も重要です。当教室にはこれらの区域切除、胸腔鏡・ロボット手術、肺がん周術期療法、臨床試験、肺がん分子生物学的基礎研究のエキスパートが揃っている世界的にも有数の教室です。いつでもご相談をお待ちしています。
主任教授 津谷 康大
外来医師のご紹介
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2025年の当科の手術
2025年呼吸器外科関連の全手術数は341例でした。原発性肺癌の手術は193例であり、転移性肺腫瘍手術数は34例、縦隔腫瘍手術数は22例でした。また、2025年における肺切除のうち区域切除が130例(54%)と全国的に見ても屈指の実績を誇ります。
当科の手術の特徴
当科では手術の低侵襲化を重視し、2018年4月に単孔式胸腔鏡手術(Uniportal VATS)、2019年7月にロボット支援下手術を導入しました。
単孔式胸腔鏡手術は全国に先駆けて取り入れ、累積400件以上と全国トップレベルの症例数を有しています。また、ロボット手術も年々件数が増加しており肺切除術の約半数においてこれら低侵襲アプローチを行っております。
これらの低侵襲アプローチにより、術後疼痛の軽減、早期回復、整容性の向上を実現し、患者さんにとって負担の少ない外科治療を提供しています。 詳細は近畿大学病院の下記ページをご参照ください。
肺がんの外科治療
https://www.med.kindai.ac.jp/diseases/lung_cancer_1.html
肺がん治療の新しい術式「Uniportal VATS(単孔式胸腔鏡下手術)」
https://www.med.kindai.ac.jp/about/mirai/kindaibito/#chiba_masato
単孔式胸腔鏡手術とロボット支援下手術における手術件数の推移を下記に示します。単孔式胸腔鏡手術に関しては全国に先駆けて導入し、累積400件以上と全国トップレベルの手術件数を行っています。




