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食道・胃・十二指腸

どんな症例でもあきらめない!"Never give up"
最良のチームワークで、最善の治療を迅速、的確に提供!

外科的切除は困難なのでは・・・?
遠隔転移があって外科適応ではないのでは・・・?
併存疾患が多い、高齢である、栄養状態が悪い・・・
他施設で治療を受けている・・・
術後合併症で再度困難な再建が必要・・・

私たちはどんな症例でも対応します。
相談だけでも構いません。
いつでもご紹介ください。

食道癌・食道疾患チーム

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私たちは、食道癌診療の専門家集団です。
治療法も手術だけではなく、内視鏡的粘膜切除術や根治的化学放射線療法、術前・術後の化学療法や化学放射線療法、そして近年は免疫チェックポイント阻害剤も加わり、治療戦略は複雑化しています。治療の選択だけでなく、その組み合わせや順番の違いによっても結果が変わってくる時代です。当院では、食道癌症例のほぼ全例を外科、消化器内科、腫瘍内科、放射線治療科で構成される上部消化管Cancer boardにて一例ずつ専門知識と経験を結集して検討し、症例毎に最適の治療法を決めています。したがって手術適応の有無を考慮する必要はなく、どんな進行度の症例でも外科宛に紹介頂いても全く構いません。
食道癌手術は長時間を要す、非常に侵襲の大きな手術です。手術と同じくらい術後管理も重要であり、その意味では施設としての総合力が問われる疾患です。当院では、術前から嚥下や呼吸に関するリハビリチームおよび栄養士による栄養介入が入り、周術期は食道癌治療に習熟した病棟看護師、麻酔・ICUスタッフなどが管理にあたって全面的にサポートします。安心してご紹介して頂ければと思います。

食道外科専門医認定施設

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日本食道学会が認定する食道外科専門医認定施設は2023年4月現在全国で135施設ありますが、大和川以南の南大阪においては近畿大学病院が唯一認定されているのみです。この施設認定を得るためには食道外科専門医の常勤医の在籍が必須ですが、有資格者は全国でも僅か306名(2023年)です。大阪府下には28名の資格者がいますが、南大阪に限ると有資格者は近畿大学病院の2名のみです。

<特徴>

  1. 食道外科専門医が在籍
    専門医制度の3階部分に相当する高難度の資格。
  2. 食道癌の手術経験が豊富
    毎年60例以上の食道癌の手術を行うhigh volume centerです。
  3. 治療成績が良好
    日本食道学会が実施した認定施設と非認定施設での治療成績の比較では、食道癌術後の生存期間中央値は75ヶ月vs.45か月と認定施設で大きな差を持って生存期間の延長が認められました。

食道癌も今や"治る癌"であり、「手術と周術期管理および治療戦略の質」が問われる時代です。我々も南大阪の最後の砦として近隣の基幹病院から食道癌の治療症例を途中からお引き受けして治療をすることは少なくありません。でも、ベストの結果を得るためには最初から一貫した治療方針で取り組むことが肝要です。食道癌に関しては最初から食道外科専門医認定施設に紹介して頂くようお願い申し上げます。

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胃癌・胃疾患チーム

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私たちは、胃癌診療の専門家集団です。
近年、食生活の変化や医療技術の進歩による早期胃癌の発見と治療の向上、ヘリコバクターピロリ菌の除菌による予防効果などで胃癌の発生は減少傾向にあるものの、国立がん研究センターがん対策情報センターの最新がん統計では2017年がん罹患数順位では胃がんは第2位、2018年がん死亡者数順位では第3位であり、まだまだ胃癌治療は重要性の高い事項の一つです。
胃癌の治療方法は、外科手術のみの画一的な治療から、現在は早期癌に対する内視鏡的粘膜剥離術や傷の小さな腹腔鏡下あるいはロボット支援下による胃切除術、更には胃粘膜下腫瘍などに対する腹腔鏡を用いた胃内手術に至るまで、切除法一つをとっても多岐にわたっています。当科では年間に150例程度の胃切除症例を扱っており、南大阪第一位のhigh volume centerとしての役割を果たしています。またこの様に多岐にわたる治療方法に対応できるようにチームワークのとれた医療体制を整え、高度かつ充実した医療を患者さまに提供しています。
進行癌においては複数ある化学療法レジメンや放射線療法の手術との組み合わせ法の選択や、化学療法の施行時期(術前または術後)、投与経路として経静脈または腹腔内の選択、薬物も近年は通常の抗がん剤に加えて分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤も適応となり、ますます治療選択が複雑化してきています。つまり、その組み合わせの良悪で結果が大きく変わる時代になっています。その意味で、毎週開催される外科、消化器内科、腫瘍内科、放射線治療科で構成される上部消化管Cancer boardを活用して、悩ましい症例は積極的に提示して各診療科の専門知識と経験を出し合って最善と考える治療の提供に努めています。
我々の施設は、腹膜播種陽性胃癌に対しても"諦めない"精神で、積極的に治療を行っています。近畿大学病院は全国に先駆ける形で胃癌腹膜播種に対する腹腔内化学療法に取り組んで成績向上に取り組んできました。現在、胃癌腹膜播種に対する腹腔内化学療法は東京大学の石神浩徳先生を中心に全国35施設で実施されていますが、大阪で実施できるのは現在近畿大学病院のみです。
したがって、手術や治療の適応に関係なく、どんな症例でも外科宛にご紹介いただいて全く構いませんので安心してご紹介ください。
胃は胃液と蠕動運動により食物を消化するだけでなく、食物を一旦貯留するという大きな役割を果たしています。この臓器を切除することにより消化吸収障害や小胃症状による食事料の低下、これらに起因する様々の併存疾患や機能障害の出現など、手術後の身体の状態や食事および生活は大きく変化します。この変化に対して術後の全身状態を良好に維持することは手術と同様に重要で、その質の良悪が予後に影響するといわれています。近畿大学病院では管理栄養士による栄養指導や看護師による生活指導のみならず薬剤師による服薬指導など、胃癌治療に習熟したメディカルスタッフが全面的にサポートすることにより、患者さまに安心した術後の生活を送っていただいています。
さらに、地域に根差した医療を行うべく、地域連携システムにも積極的取り組んでいます。患者さまの退院後は、ご紹介いただいた病院様や医院様など地域かかりつけの先生方と、地域連携パスを通じて一緒に診察・治療をさせていただきます。

日本胃癌学会 施設認定(A)

日本胃癌学会は施設認定を(A)水準と(B)水準に分けて認定しています。当然(A)水準の方が条件が厳しく、現時点において全国で127施設しか認められておらず、大和川以南に限れば当院を含め3施設が認定されているのみです。この施設認定は、消化器外科専門医のみならず、内視鏡専門医、薬物療法専門医、病理専門医、細胞診専門医と胃がん治療に関わるすべての領域の専門医が従事し、かつ多くの診断・治療を行っていて初めて認定されるという、施設全体で胃癌に対する診療レベルの高さを評価する資格です。特に、この胃癌診療の施設認定(A)と食道外科専門医認定施設の両方の認定を取得している施設は南大阪では近畿大学病院のみです。

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