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食道・胃・十二指腸

教授あいさつ

安田卓司 主任教授世界中を恐怖と混乱に陥れたコロナ感染も漸く沈静化の兆しが見え、2023年5月8日からはインフルエンザと同様の第5類の感染症に移行します。第9波を懸念する声はありますが、徐々にコロナ前の日常が戻る中で人と人との直接の触れ合いの重要性と安心感を実感しているところです。
コロナ禍の中で、医療に関しては私たち医療従事者だけでなく、患者さんにも大きな負担、不安を強いられました。急激な患者数、特に重症患者の増加は医療体制をコロナ対応最優先に変え、通常の疾病に対する診療は後手に回らざるを得なくなりました。さらには患者さん自身も病院でのコロナ感染を恐れて症状があっても受診控えする傾向から、悪性腫瘍では進行例の受診が増加して治療に難渋する場合も少なからず認められました。特に進行の早い食道癌では食事のつかえ感を自覚したら3ヶ月程で水も通らなくなりますし、進行胃癌でも少しの遅れでお腹の中に癌が広がり治療困難となる"腹膜播種(ふくまくはしゅ)"という状態にまで進行してしまいます。怖いのはコロナだけではありません。ご自身のお体に違和感を感じられたらすぐに検査を受けて早期発見、早期治療で健康を維持していくように心がけて下さい。

私たちはこれまで食道癌、胃癌の高度医療センターとして南大阪唯一の大学病院としての自覚をもって医療を支えてきました。近隣の基幹病院からも多くの治療困難な高度進行症例や治療後の合併症症例の相談も引き受けて、常に患者さんと向き合って、前向きな気持ちを忘れずに取り組んできました。私たちがチームとして共有している理念と目標は以下のとおりです。

  • 患者さんの話をしっかり聞く
  • 悪性腫瘍の検査は原則1週間(長くても2週間)で結果を出す
  • 外科、内科、放射線治療科の合議で最適、最新の治療を提案する
  • 複数の選択肢の中から患者さんにとってのベストを一緒に考える
  • 「できない」ではなく、「どうしたらできるか」を考える
  • 治すのは患者さん自身。私たちはそれをチームとして支え、最大限のサポートを約束する

上記のために私たちは常に手術技量を磨き、最新情報を学び、臨床に直結する研究で最高を提供できる準備を整えつつ、自慢のチーム力で患者さんから頼りにされる病院として努力を続けていきたいと思います。
食道・胃関係の病気で悩んでいる方、現在その病気の検査中や治療中の方、どのような方でも構いません。まずは私たちにいつでもお気軽にご相談下さい。できる限り時間をかけて、責任をもって、納得のいくまで相談させて頂きます。

“意志あるところ、道ありき”
― Where there is a will, there is a way. ―

悩んで立ち止まっているよりは、私達と一緒に、前を見て進んでいきませんか。

いつでも私たちの扉は開いています。私達の経験と知識を積極的に利用して、納得のいく治療を受け、悔いのない人生を送って頂きたいと願うばかりです。

2023年5月8日
近畿大学医学部外科学教室
上部消化管部門 主任教授
安 田 卓 司

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