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大腸・小腸

臨床

下部消化管外科部門は小腸、結腸、直腸、肛門の悪性・良性疾患の専門部門であり奥野教授、肥田准教授以下8人のスタッフで診療にあたっている。大腸癌(結腸癌、直腸癌)を中心に、潰瘍性大腸炎、クローン病、結腸憩室症、虚血 性腸炎から痔核、痔瘻、裂肛、直腸脱等の肛門疾患にいたるまで腸外科全般にわたる診療を行っており、腸閉塞、腹膜炎など緊急手術を要する疾患も多い。2015年の手術症例は大腸癌171例(結腸癌114例、直腸癌57例)、肛門疾患4例、 外来及び院内救急の腸閉塞と腹膜炎に虫垂炎を加えた緊急手術36例、鼠径ヘルニア28例で、総手術件数は359例であった。(図1)

図1.手術症例数の推移

図2.大腸癌stage別生存率大腸癌に対して内視鏡、CT、MRI、PETなど最新の診断技術を利用した癌の進行度に応じた適正な手術を行っている。 すなわち手術後のQOL (Quality of Life:生活の快適性) に配慮した早期癌に対する内視鏡手術、腹腔鏡手術、直腸局所切除といった縮小手術や排便、排尿・性機能温存のための肛門括約筋温存手術、自律神経温存手術である。特筆すべ きは直腸癌に対する排便機能温存手術、すなわち人工肛門がなく(肛門括約筋温存率:84%)、かつ術後機能の良好な手術である。具体的には‘排便回数の増加’や‘排便我慢できない’や‘下着の汚染 ’や‘便失禁’といった術後の後遺症を軽減するためのJ型結腸嚢再建(結腸で便貯留のための袋を作製し肛門と吻合する)を用いた超低位前方切除と括約筋部分切除を伴う経肛門腹式直腸切除による自然肛門温存手術で ある。縫合不全発生率は4%であった。一方、癌の根治を重視した進行結腸癌に対する広範な切除、進行直腸癌に対する骨盤内臓全摘術、骨盤内リンパ節郭清といった拡大手術を行っている。治療成績をみるとStage別5年生存率はStage 0: 97%, Ⅰ: 94%, Ⅱ: 84%, Ⅲa: 66%, Ⅲb: 53%, Ⅳ: 22%である(図2)。すなわち80%に治癒切除が行われその5生率は80%に達する。しかし20%の患者は根治手術不能でこれらの5生率は20%にすぎない。非治 癒の原因は肝転移、局所進展、腹膜播種の順である。また治癒切除後再発は20%にみられ肝と局所が多く、肺、腹膜と続く。

この状況で研究も積極的に行った。すなわち肝転移や局所進展や腹膜播種に対する集学的治療、進行直腸癌に対する術前放射線化学療法、直腸癌QOL向上のためのpouch operationと経肛門腹式直腸切除と自律神経温存手術、癌ワクチン療法、結腸癌至適切除範囲、骨盤内臓全 摘術、側方郭清、肝転移高危険群の抽出、補助化学療法、術後サーベイランスと再発癌治療、高齢者大腸癌手術、癌所属リンパ節分類、大腸癌histopathology、癌予後因子、肛門管癌、脳転移、腹膜炎、リンパ節転移画像診断、Colitic cancer、腹腔鏡手術、粘液癌、癌遺伝子等である(研究業績参)。教育では下部消化管に関する28コマの講義を担当している(学生講義参)。以上、奥野教授、肥田准教授 を中心にグループ全員一丸となって黙々と手術し、研究を行い、学生教育と研修医指導を行っている。

(文責:肥田仁一、上田和毅)

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