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大腸・小腸結腸がんに対する腹腔鏡手術

腹腔鏡手術は、従来の開腹手術に比べて傷がかなり小さく、患者さんの身体への負担が少ない手術です。本邦では、大腸がんに対する腹腔鏡手術は2002年に保険診療として認められ、その後急速に広まりました。大規模な臨床試験の結果、腫瘍学的な治療成績は開腹手術とほぼ同等の成績であることが示されており、現在では標準的な術式となっています。

腹腔鏡手術は、カメラや手術器械を挿入するためのトロッカー(直径5mm~12mm程度)を適切な場所に挿入して行います。腹腔内を炭酸ガスで膨らましてできたスペースに手術器機を挿入し、外科医はモニターの映像を見ながら手術を行います。

腹腔鏡手術の大きな利点のひとつに良好な手術視野があります。手術部位に近接したカメラが拡大して映し出す映像により、外科医は細かい血管や神経など詳細な解剖を認識しながら手術を行うことができるため、より繊細な操作が可能となり、術中出血量の減少と、術後腸管運動の早期回復につながります。術後早期に離床や経口摂取が可能となるため、入院期間が短縮されて早く社会復帰できるメリットがあります。

当科では1995年から大腸がんに対する腹腔鏡手術を導入し、当初は早期がんに対して行っていましたが、現在は進行がんにも適応を拡大して標準術式としております。これまでに約1300人の患者さんに腹腔鏡手術を施行し、症例数は年々増加傾向です。腹腔鏡手術には高度な技術を必要とするため、当科では内視鏡外科学会の技術認定制度で認定を受けた医師が手術を行います。当科には現在5人の技術認定医(大腸)が在籍しており、今後の教育によりさらなる増員が見込まれます。

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