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小児外科神経芽腫

神経芽腫

神経芽腫は交感神経系というところから発生する腫瘍で、副腎や後腹膜、後縦隔、頸部、骨盤部、腹腔の正中部などから発生します。小児の固形がんの内では最も頻度が高く、小児外科学会の登録では1年に120例程度あります。

以前は生後6ヶ月で尿の検査によるマス・スクリーニングが行われていましたが、1歳未満の症例は予後が大変良くまた自然退縮がみられることから現在は休止されています。

症状は発生部位によっても変わってきますが、一般に特異症状は乏しく進展するまで気付かないことも多くあります。腹部や頸部では腫瘤(しこり)を触れることが多くあります。また胸痛や腹痛といった痛みの症状もみられることがあります。

また頚部の場合は発汗がないことや瞳孔が狭くなったりすることがあります。時には全身の症状として貧血や食欲がない、顔色が悪いなどを伴うことがあります。他臓器に転移している場合には、肝臓の腫大、骨転移による四肢の痛み、皮膚転移の場合は皮膚のしこりが出てきたりします。

診断は症状を参考に色々な検査をしていきます。CTや超音波検査といった画像診断の検査、尿中や血中の腫瘍マーカー(VMA、HVA、NSE、フェリチンなどというものです)の検査、骨髄穿刺、腫瘍生検(手術的に)などがあります。また腫瘍のがん遺伝子検索をしますが、一般にN-mycというものが予後を判定するのに頻用されています。

この腫瘍は他の腫瘍と違った特徴があります。1歳未満でみつかる腫瘍の多くが一般に予後良好といわれており自然退縮することもあります。以前に行われていたマス・スクリーニングでは多くの症例が見つかりましたが、直りやすい腫瘍ばかりが見つかっているという批判があり、現在は休止になっています。しかし1歳以上の進行例では治療成績は極めて不良です。

治療は年齢や病期あるいは腫瘍の特徴を考慮して行います。1歳未満では予後良好群と診断されたものは注意深く経過を見ながら自然退縮を待つ施設もあります。予後良好群に入らない症例や1歳以上の症例では早期に発見され摘出可能な腫瘍であれば腫瘍摘出術を行います。転移があるお子さんや腫瘍が大きくて切除できないお子さんではまず腫瘍生検を行い確定診断と腫瘍の性状を診断されてから厚生労働省の基準に準じて化学療法を行います。腫瘍を縮小した後に2期的手術にて腫瘍の摘出術を行っています。また大量化学療法として末梢造血幹細胞移植を行っています。 

予後は1歳未満と1歳以上で大きく分かれます。治療成績は2年生存率で表されますが、1歳未満では概ね80%以上の成績となっています。しかし新生児例や巨大な肝転移の症例では急速な増大による死亡例もあります。1歳以上、特に骨に転移した場合などでは必ずしも予後はよくありません。しかし私たちはそのようなお子様でも治療を工夫し、生存率をよくするように努力しています。

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